松本人志、日テレ「明日ママ」論議に参戦 いたずら半分なクレーマーは「すごく悪」

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   児童養護施設団体などから内容変更や放送中止を要求されている日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」について、ダウンタウンの松本人志さんがテレビ番組で意見を述べた。

   心から番組の放送中止を求めるのではなくイタズラ半分でクレームをつけるような視聴者に苦言を呈し、そのせいで制作サイドが委縮して番組が面白くなくなることを危惧していた。

スポンサー全社がCMを見合わせ

松本人志さんが出演したワイドナショー公式サイト
松本人志さんが出演したワイドナショー公式サイト

   児童養護施設が舞台の同ドラマは、赤ちゃんポストに預けられた主人公が「ポスト」と呼ばれるなどセンセーショナルな表現が一部あり、「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を設置している慈恵病院(熊本市)が「差別を助長する」として放送中止を求めていた。全国児童養護施設協議会と全国里親会も抗議に加わり、ドラマの描写が現状とかけ離れていることを批判している。

   日本テレビ側は「最後まで見ていただければ、私たちの意図が理解していただける」と全9話の放送を続ける方針だが、番組スポンサーに影響が出て2014年1月29日放送の第3話は、全8社がCM放送を見合わせるという異例の事態になった。視聴者から電話やメールが数十件寄せられた企業もある。

   この問題が2014年1月28日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」で扱われた。批判を受けてドラマの演出が徐々に変わる可能性を東野幸治さんが指摘すると、「軌道修正していくのは嫌やね」と松本さんは同意した。

   番組にクレームを入れる視聴者にも言及し、

「本当にどのぐらいマジでどのぐらいの熱を持って、本当に腹立ってて本当に止めてほしいと思ってやってるか、数値化できたら一番いいんですけどね。なんとなくいたずら半分、面白半分でクレームしてくるものまで対応しちゃうと、どんどん面白くなくなっていきますよね」

と危機感を抱いていた。

   慈恵病院の関係者については「この人たちはマジで本当にやめてほしいと思ってる人なんですよね」としたうえで、「でもそうじゃない、乗っかって面白半分な人がいるじゃないですか。ここが僕はすごく悪だなと思うんです」と、軽率な気持ちで苦情を言う人を批判した。

「作り手はやりにくくなる」

   松本さんは番組中で、「もし、やめますってなっちゃったら、クレームしたら番組って終わらせられるんだってなると、作り手はやりにくくなる」と、クレームによる番組中止の前例ができてしまうことを危惧していた。

   ナインティナインの岡村隆史さんも23日のラジオ番組で、

「もしこれで放送中止になってしまったら、テレビの未来はもうないです」「テレビでお仕事をする人間として、これ以上テレビの発展は見込めなくなりました」

と発言しており、表現自粛に追い込まれることへの危機感を募らせている。

   ネットでは、商品やサービスなどへの不平不満を表明する手段して、スポンサー企業にクレームの電話で突撃する「電凸」に効果があると周知され、その「成果」をブログやSNSなどで共有する人が少なくない。2011年にはフジテレビの韓流偏重を抗議する人々が、番組スポンサーに「電凸」して対応の悪い企業について、アマゾンの商品レビュー欄に書き込んだ。電話音声を録音して動画サイトに公開する人もいるため、顧客からのクレームは無視できないものになってきた。

   そうした影響があってか、クレームを受けてCM中止や商品の販売中止に追い込まれるケースが目立つ。最近では、キリンビールがカエルのキャラクターを使った缶チューハイのCMが、未成年者の飲酒を誘導しかねない、というクレームを受けて中止になったほか、ファミリーマートのフォアグラ入り弁当が、「残酷」だと指摘され発売見合わせになった。

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