直木賞作家の坂東眞砂子さんが2014年1月27日に高知市の病院で死去した。55歳だった。13年に舌がんになり肺に転移し、13年末から入院していた。
坂東さんは1958年に高知県佐川町で生まれた。奈良女子大卒業後はイタリアに留学し帰国後にフリーライターなどを経て、93年にホラー小説ブームの先駆けとなった「死国」でデビュー。97年に「山妣」で直木賞受賞。02年に「曼荼羅道」で柴田錬三郎賞を受賞した。
坂東さんがネットで一躍注目されたのが 06年8月18日付けの日本経済新聞(夕刊)のエッセイで、タイトルが「子猫殺し」だった。当時タヒチに住んでいた坂東さんは、子猫が生まれた時には家の隣にある崖の下の空き地に子猫を放り投げ殺していると書いた。それは猫に避妊手術を受けさせる権利が人間にはないからで、もちろん子猫を殺す権利もないけれども、
「飼い主としては、自分のより納得できる道を選択するしかない」
などと綴ったため、「小さな命に対してやることではない」などとしてネット上で大バッシングに発展した。