相撲協会関係者の裏金500万円受け取り現場? 「迫真」ユーチューブ動画は本物なのか

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   日本相撲協会の関係者が、パチンコメーカーと契約するための裏金500万円を受け取った現場だとする動画が、ユーチューブに投稿され、本当なのかと波紋を呼んでいる。

「こちらの方に500、用意させていただきました。ちょっとお確かめいただいて」

   動画手前の人物がこう言って封筒を渡すと、相撲協会の関係者とされる男性が、「絶対これバレんようにしてくれる?」と念を押す。

封筒から1万円の札束のようなものを取り出す

裏金は本当なのか(ユーチューブ動画から)
裏金は本当なのか(ユーチューブ動画から)

   ユーチューブに2014年1月22日に投稿された4分弱の動画の冒頭シーンだ。関係者男性の名前でアップされ、パチンコ契約を巡る「裏金取引現場」だとタイトルでうたってあった。

   動画では、手前の人物が「バレないです」「だからちょっとサインもいただかないです」と言うと、男性は、「北の湖にばれるようになると、つまりその、中止せなあかん、潰さなあかんようになる」と説明した。そのうえで、男性は、封筒から1万円の札束のようなものを取り出して確認する仕草をした。

   さらに、男性は、パチンコメーカーの担当者を相撲協会の理事のところに連れて行くときは、もう下準備を済ませた状態にしておきたいとも明かした。

   相撲協会と言えば、八百長や野球賭博、暴行などの問題が次々に明るみになった経緯がある。動画の真相は全く不明だが、ネット上では、「まーた相撲協会か」「何回不祥事起こすねん」といった声も漏れていた。

   今回の動画は、週刊ポストが1月14日発売号で特集したものと同じらしい。記事では、動画を投稿した名古屋市内の広告代理店経営者がインタビューに答えており、それによると、経営者は、パチンコメーカーの代理として男性と交渉した。男性からは、相撲協会の理事を説得するために計1700万円が必要と求められ、経営者はほかの代理店などからお金を工面し、うち500万円は12年11月12日に福岡市内のホテルで男性に渡した。動画は、万が一の記録のために自ら撮影したそうだ。

文科省「協会が対外的に説明すべきもの」

   ポストの記事によると、こうした働きかけの結果、相撲協会は2013年6月にパチンコメーカーと1億円で契約した。そして、15年には、現役などの4力士が登場するパチンコ台がお目見えする予定だったという。

   しかし、その後、相撲協会の北の湖理事長が「裏金」のことを知ってトラブルになり、お金を渡した経営者が報酬を受け取れなくなった。経営者はそれが許せなくなり、相撲協会の各理事に告発文を送ったとしている。

   記事では、経営者は、相撲協会関係者の男性からお金は返してもらっていないとした。しかし、男性は、ポストの取材に対し、お金を渡されたのは事実だが、その場ですぐに返したと説明したという。

   日本相撲協会の広報部では、パチンコメーカーとの契約について、「何も聞いていないので、まったく分かりません」とJ-CASTニュースの取材に答えた。動画についても、見ていないので分からないといい、協会から指示も出ていないので事実関係も調べていないという。

   パチンコメーカーでは、相撲協会との契約について、「そういう事実はございません」と取材に対し否定した。

   相撲協会を所管する文科省の競技スポーツ課では、現段階では協会から説明もなく特に動いてもいないとしながらも、「協会が対外的に説明すべきものと考えています」と指摘している。相撲協会は14年1月28日付で公益財団法人に認定されることが決まったが、内閣府の事務局では、裏金騒ぎについて、「議論にはなっていませんし、特段コメントすることではないです」としている。

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