外資系や新興生保の有力チャネルがしぼむ
実際の消費者の被害例は今のところ報告されていないが、販売手法を含めて保険商品を監督する金融庁としては、被害を未然に防ぐ観点から、規制に乗り出す方がいいと判断したわけだ。
では規制強化で何が起こるか。商品知識の不足も指摘された「募集人」が禁止されることで、消費者にとっては保険商品を買う際に納得のいく十分な説明を受けることが期待できる。「乗り合い」ショップにおいても、より中立的な商品の提案がされる期待も高まる。
ただ、乗り合いショップにとっては募集人の正社員化などを迫られ、現状よりコスト高の経営を強いられそうだ。これまで順調に成長してきたが、さらなる成長どころか、現状維持も難しくなる可能性もある。そうなれば、消費者にとっては、保険選びの手段が減るとこになる可能性もある。
生保側にとっては、営業職員など従来からの自前の販売チャネルを持つ大手は乗り合いショップが少しくらい減っても大きな影響はないが、自前の営業部隊に乏しい外資系や新興生保にとっては、有力チャネルがしぼむことにもなりかねない。
規制は2015年3月末までに完全実施される方向。結果がどう出るか、業界関係者ならずとも注目だ。