人気の理由に「東日本大震災」が影響?
現在ブームになっている七三分けは、1960~70年代に流行した「アイビーカット」に似ている。米国のアイビー・リーグの大学生の間で人気だった髪型で、七三分けと前髪上げをスタイリング剤できっちりと仕上げるというものだった。アイビースタイルは日本でも洗練されたイメージとして受け止められ、ファッションブランド「VAN」とともにブームになった。
そんな七三分けが、今なぜ人気再燃しているのだろうか。都内の美容室の店長に話を聞くと、意外にも「東日本大震災」が影響しているという。
1923年に発生した関東大震災の後、現場で働く男性の間で、片側を刈り上げて長く残した髪を逆サイドになで付ける髪型が好まれた。これが「震災刈り」「復興刈り」という髪型のジャンルとして確立したのだが、東日本大震災の発生で改めて注目を浴びた。
また、以前はジャニーズに影響を受けたようなフェミニンな髪型が人気だったが、それに対抗してEXILEのように男臭さを前面に押し出すスタイルが見直され始めた。
「震災刈り」「EXILE人気」の2つがリンクし、現在の七三ブームにつながったとみている。実際、ここ1年ほどでオーダーはかなり増えたそうだ。
カラーリングやパーマをせず、黒髪・短髪でもかっこよくセットできるという点で、おかたい仕事をしている人もおしゃれな髪型を楽しめるというのも魅力の一つのようだ。