児童養護施設関係者への人権侵害があるとして関係団体から抗議を受け、賛否両論を呼んでいる日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」をめぐり、番組スポンサー各社が続々とCM放送の見送りを決定している。
2014年1月22日の第2話でCMを見合わせたのは8社中3社だったが、3話目以降、少なくとも4社のCMが流れないことが分かった。
「21世紀で一番泣けるドラマ」のはずが…
「明日、ママがいない」(以下、「明日ママ」)は、親と離れて児童養護施設で暮らす子供たちの目線を通して「愛すること」「愛されること」を問いかける「21世紀で一番泣けるドラマ」として、1月15日にスタートした。だが、ドラマ内では赤ちゃんポストに預けられた少女が「ポスト」とのあだ名で呼ばれたり、施設長の男性が子供たちを「ペットショップの犬」に例えたりと、ショッキングな描写も目立つ。
第1話放送後、「こうのとりのゆりかご」を運営する熊本県の慈恵病院や、全国児童養護施設協会などの関係団体は施設関係者への人権侵害があるとして抗議を表明した。それに対し日テレが放送継続を発表すると、22日には慈恵病院が放送倫理・番組向上機構(BPO)に内容の審理を申し立てた。
フィクションにおける表現の自由はどこまで許されるのか。放送の継続・中止をめぐる議論が盛り上がる中、22日に放送された第2話で異変が起きた。ドラマのスポンサー8社のうち3社がCM放送を見合わせ、本来あるはずの放送終了時の提供社名表示にいたっては1社もなかったのだ。CM放送を見合わせたのは、「キユーピー」「JXホールディングス(エネオス)」「エバラ食品」で、エバラ食品のCMは、ACジャパンに差し替えられていた。