「くまモン」「バリィさん」は大丈夫か
つい先ごろもANAの新CMで、お笑いタレントの「バカリズム」が金髪で高い鼻のメイクで登場したことについて「人種差別だ」と外国人から苦情が来て謝罪したが、ネットでは「モンスタークレーマー増えすぎ」などと批判が出ている。「本搾り」に出てくるカエルにクレームをつけるのは異常だとし、
「なぜこれが未成年の飲酒を誘発するって話になったんだ?」
「かわいいカエルかと思ったら、気持ち悪い系のカエルじゃん。バカじゃねぇの」
「最近ちょっとテレビもCMもクレーマーの言うこと聞きすぎじゃないの?いくらなんでもひどすぎる」
などといった意見が出ている。
その一方で、心配されているのが「くまモン」「バリィさん」といった地方のゆるキャラが日本酒や焼酎のキャラクターとして使用され、販売されていることだ。あのカエルがダメならば、こちらはもっと許されないのではないか、とし、
「くまモンの酒を買って楽しんでいるけれども、販売中止になったら困る」
などと語っている人もいる。
愛媛県と熊本県それぞれの酒造メーカーに話を聞いてみたところ、これまで苦情らしきものは一件もきていない、とした。愛媛県の酒造メーカーは、
「バリィさんは今治市が生んだキャラクターで、皆さん大切に思っていますし、もっと活躍の場があればと願っています。その一つが私どものお酒ですし、それは誰もがわかっていることです。それに、うちはCMは流していませんしね」
と打ち明ける。「くまモン」の熊本県の酒造メーカーに話を聞くと、「くまモン」関連の酒は様々なメーカーが作っていて、販売に際しては未成年者の飲酒を誘うことになりはしないか、業界団体を交えて慎重に調査、議論してきたのだという。そして、「くまモン」はキャラクターとしてだけでなく熊本県の営業部長だから積極的に使うべきだとの結論に至り、順次酒造メーカー各社が販売を始めたということだった。今回のキリン「本搾り」の余波を受け、今後クレームの様なものがあるかもしれないが、業界結束のもとで理解していただくしかない、とメーカーの担当者は話している。