サントリー1.65兆円投じ、米社買収 世界10位から3位に急浮上した舞台裏とは

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   スピリッツ(蒸留酒)市場で世界10位のサントリーホールディングス(HD)が、「ジムビーム」で知られる同世界4位の米ビーム社を総額160億ドル(約1兆6500億円)で買収するという日本企業による大型M&A(企業買収・合併)が決まった。

   2014年6月までに買収手続きを完了予定で、同分野で世界3位に躍り出る。少子高齢化の影響で国内市場の大幅な伸びが見込みにくい中、世界市場で生き残りを図る。

国内市場だけでは頭打ち

サントリー「ジム・ビーム」サイト
サントリー「ジム・ビーム」サイト

   ビーム社はバーボンウイスキー「ジムビーム」「メーカーズマーク」などで知られる世界有数のスピリッツメーカー。ジョニー・ウォーカーの英ディアジオ、シーバスリーガルの仏ペルノ・リカール、英領バミューダを本拠地とするバカルディ・マルティーニに次ぐ世界4位のポジションだ。小売金額ベースでは、サントリーの3倍にあたる年70億ドル以上を売り上げている。

   一方のサントリーは、1929年に国産初のウイスキーを発売した老舗メーカー。「山崎」「白州」「響」といった高級品から、「トリス」「レッド」といった大衆品まで、幅広い製品をそろえる。ニッカウヰスキーを抑え、国内では堂々1位の座に君臨し続けてきた。

   ただ1980年代から、猛烈な勢いで市場は縮小してきた。最近はハイボール人気のおかげで拡大傾向だが、胃袋の数が減る以上、中長期的に国内での成長ストーリーを描くのは難しくなっている。多くの食品メーカーと共通の悩みを抱えている。

   「海外で成長」といっても、自社の力だけで伸ばすのは難しい。他社を飲み込んで、一気に世界のステージに躍り出るというのは、自然な流れだった。

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