外務省「補償するというのは変な話だ」
外務省の海外安全ホームページを見ると、日本人が韓国で遭ったぼったくりとしては、料金を交渉して決める、タクシーに似た「コールバン」の被害などが挙げられている。ただ、外務省の海外邦人安全課では、ぼったくりが多いかについては、「人気観光地では、多かれ少なかれあるもので、ソウルだけ高いという認識はありません」と否定的だ。
とはいえ、ぼったくり被害を観光協会が補償するという施策には、担当者も首をひねる。
「普通なら、被害者が警察と一緒に店などに行って、適正な値段にするよう交渉し、差額などを返してもらうものでしょう。大元のぼったくりを絶たないといけないわけで、補償するというのは変な話だと思います」
ぼったくるような店は、領収書なども出してもらえないのが普通だとし、危険な店などには近づかない方がいいと言っている。
韓国の観光警察では、ぼったくりについて、担当者が取材にこう説明した。
「飲食店や小さな土産物店では、外国人は料金が違うというケースも確かにみられましたが、今では値札を付けていない店は取り締まっています。交通機関では、コールバンの被害もありましたが、取り締まりで減りつつあります。今はそれほど被害も多くなくなっており、補償金制度の利用もまだ日本人女性の1件だけです」
制度については、「小さな店では、交渉してもなかなか説得するのは難しく、警察もそれ以上は関与できません。しかし、観光客の不満を解消しなければいけませんので、観光環境を改善するためにも必要だったと思います」と言っている。