「オンラインのAV配信業をして荒稼ぎ」
こうした悪質なAVスカウトは増えているのか。「ポルノ被害と性暴力を考える会」の金尻カズナ氏によると、昔からこのようなスカウト業は一定数存在しており、とりわけ「NOと言えない人たち」がターゲットにされているそうだ。
「金銭的に余裕のない人(学生さんを含む)、社会経験が少ない人(学生さんを含む)、過去にトラウマを抱えている人、地方から上京してきたばかりの人、そういう人たちの『心の弱み』に付け込みんで行われています」
また最近では「アイドル=『誰でも手が届くような存在』を逆手にとって、食い物にしている人たちが一定数居ると考えています」と金尻氏は言う。
「不景気のためか、ヤクザとかかわりの少ない一般の個人や企業が、アイドルブームに便乗して、新規事業としてAVプロダクションをしたり、オンラインのAV配信業をして荒 稼ぎをしているという実態もあります」
アダルト動画に出演させられそうになった場合は被害を未然に防ぐことが重要で、「まずは、性被害に関する支援団体、または性の問題に詳しい弁護士に相談してほしい」とアドバイスした。
「たとえ警察や行政に相談をしても、詐欺罪や脅迫罪の成立要件が高いこと、これらの被害が社会的に認知されていないために、なかなか動いてくれません」
同会は2013年に東京・六本木の森美術館で開催された美術家・会田誠さんによる「天才でごめんなさい」展の作品が「残虐な児童ポルノ」であるとして抗議文を送ったことで知られる。その際はネットでは「ただの気に入らないモノへの弾圧」と批判する声も多かったが、今回の活動に関しては好意的な意見も少なくない。