有罪ならヤクルトも連れて来られないのでは
バレンティン選手の今後については、米国時間1月24日に開かれる裁判がカギとなる。この日、日本への出国を認めるかどうかの判断が下される見通しで、許可が出れば2月1日のキャンプインには「滑り込みセーフ」となる可能性が高まる。
所属球団の東京ヤクルトスワローズは、これまで一貫してバレンティン選手がキャンプ初日に間に合うようにと動いてきた。逮捕の報が届くと奥村政之編成部国際担当次長を現地に派遣し、謝罪会見に同席させた。会見を受けて衣笠剛球団社長は、「1日も早く日本に来てキャンプに合流してほしい」と報道陣に語った。現場を統括する小川淳司監督は、来日すれば1軍スタートにすることをスタッフ会議で確認している。
ただスポーツジャーナリストの菅谷齊氏は、「球団側も頭が痛いのではないか」と推測する。戦力としては、昨季60本塁打を放った4番打者としてもちろん必要だ。だが、暴行容疑で逮捕された事実は動かない。現状では、24日の裁判が最大の焦点だとみる。「仮に起訴され、有罪判決が出たらヤクルトとしても日本に連れて来られないでしょう」。一方で疑いが晴れれば、チームへの合流が多少遅れても心配ないと話す。中南米出身だけに、キャンプ前半の寒い時期はあまり体が動かず、暑い時期に調子を上げてくるというわけだ。
しかしフィジカル面は補えても、メンタル面への影響がないとは言えない。夫人との離婚裁判は今後も継続し、心理的な負担がのしかかってくる。シーズン中に出廷を求められて渡米せざるを得なくなるかもしれない。日本行きが許されたとしても、後からいろいろな壁が立ちふさがってきそうだ。