2013年の国内新車販売台数が前年比0.1%増の537万5513台と、僅かながらプラスを確保し、2年連続で前年を上回った。軽自動車が6.7%増で過去最高となる211万2991台を記録して販売を牽引した一方で、軽自動車以外の普通車やトラックなどの「登録車」は3.8%減の326万2522台と振るわなかった。
業界団体が立てていた2013年の需要予測は、12年9月で終了したエコカー補助金の反動減が出るとの見立てから、2012年実績(536万9720台)を大幅に下回る474万台だった。確かに8月までは予想通りに推移したが、9月以降は消費増税前の駆け込み需要などが販売を後押しし、終わってみれば2年連続の500万台突破となった。
軽はこれまで最高だった06年を7年ぶり上回る
この好調な販売を支えたのが軽自動車だ。価格や維持費が安く、高い燃費性能や自動ブレーキといった安全性能が向上して人気が高まった。これまで最高だった2006年の202万3619台を7年ぶりに上回り、新車販売に占める軽自動車シェアも2012年の36.9%から2013年は39.3%へと伸びた。
一方、主力の登録車も13年9月以降は盛り返したが、8月までの落ち込みをカバーするには至らなかった。今年3月まで駆け込み需要は続く見通しだが、4月以降は反動減の影響を避けられそうになく、業界には「落ち込みがどの程度になるかがまったく読めない」との懸念が広がっている。
ただ、数字を落とした登録車の中にあって、外国車の占める割合は過去最高の8.6%を記録。販売台数は28万540台で過去最高(1996年の33万6843台)の更新こそかなわなかったが、2010年から4年連続で前年を上回る好調ぶり。欧州メーカーが燃費性能や安全性能が高く、価格を抑えた小型車を日本市場に投入したのが奏功した。
14年は消費増税に伴う反動減で前年割れか
13年11月にはドイツのフォルクスワーゲン(VW)の7代目ゴルフが外国車で初めて「日本のユーザーにいちばん乗って欲しいクルマ」とされる「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。かつての「贅沢」「高級」という外国車のイメージが薄まり、人気は高まる一方だ。苦戦が続く日本メーカーは「国産車との差がなくなってきた。日本メーカーだからというだけでは優位に立っていられなくなった」と危機感を募らせる。
2014年は消費増税に伴う反動減で前年割れとなる可能性が高まっているのに加え、2015年4月からは軽自動車税が増税されるため、軽自動車の今後の売れ行きも不透明だ。少子高齢化や若者の自動車離れが進み、長期的には国内市場の縮小は続くとの見方が強い。日本メーカーは海外に活路を見出だすしかなくなりつつあり、トヨタ自動車などは世界最大の自動車市場・中国での2014年の販売見通しを積み増して需要獲得を狙うなど、国内の分をなんとか挽回しようと躍起だが、中国でも、2013年にシェアトップとなったVWをはじめ欧州メーカーの人気は強く、「日中間には絶えず政治的緊張関係がつきまとう」(日本車メーカー)というリスク要因もつきまとう。
日本の自動車メーカーは今年も、内憂も外憂も抱える1年になりそうだ。