サムスンの成長に「急ブレーキがかかった」
たしかに、2014年に入っての急落はサムスンの業績悪化がきっかけといえそうだ。サムスンが1月7日に発表した13年10~12月期決算(速報値)によると、本業のもうけを示す連結営業利益は前年同期比6%減の8兆3000億ウォン(約8100億円)とほぼ2年ぶりの減益。前期(7~9月)比では約18%減の大幅なマイナスで、右肩上がりだったサムスンの成長に「急ブレーキがかかった」と思わせた。
部門別の内訳は1月下旬に公表されるが、営業利益の7割弱を占めるスマートフォン関連の不振が、主な減益要因とみられる。
それに伴い、サムスン株は年初から約7%下落して推移。現代自動車やポスコ、LGディスプレイといった主力企業の株価も業績悪化の懸念が強まったとして急落した。どれも外国人投資家が売ったとされる。
韓国のGDPの約7割は現代自動車など10大財閥企業が占めており、なかでもサムスンはその2割に達する。2014年1月8日付の朝鮮日報の社説(電子版)は、「サムスン電子の業績がなければ、韓国経済は昨年マイナス成長を記録していたといわれるほど、国の経済全体に占めるサムスン電子の影響力は大きいのだ」と書いている。
サムスンの快進撃を支えてきた「ウォン安」政策が是正された中で、サムスンをはじめとした韓国企業の国際競争力は低下しつつあるようだ。