映画「永遠の0」を痛烈批判した井筒監督 「見た後で自分の記憶から消したくなった」

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俳優から「アホだと思う」と言われたことも

   もっとも井筒監督の映画作品に対する「辛らつコメント」は、今回だけではない。2007年5月、当時東京都知事だった石原慎太郎氏が製作総指揮した映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」が公開された。これも特攻隊員を描いた作品だったが、井筒監督は「戦争の美化」と批判していた。これに怒った主演俳優の窪塚洋介さんが、「この映画を見て戦争賛美だというヤツはアホだと思う」と猛反発している。

   「永遠の0」は原作、映画ともこれまで繰り返し非難を浴びてきた。2013年6月18日付の朝日新聞では、作家の石田衣良氏の言葉を借りて「右傾エンタメ」と評し、「骨太な愛国エンタメ」と位置付けた。アニメーション映画監督の宮崎駿氏からは、固有名詞こそ出していないが「嘘八百を書いた架空戦記をもとにして、零戦の物語を作ろうとしているんです。神話の捏造をまだ続けようとしている」と指摘された。

   井筒監督の場合は、「永遠の0」に限らず他の映画もバッサリ切っており、辛口トークは「持ち芸」とすら思えるが、何度否定しても繰り返される「戦争賛美」のレッテルをまた張られたことに百田氏もうんざりしつつ、見過ごせなかったのだろう。

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