サンリオの店舗で日本製と表示されたグッズが実は中国製だった、そんな見出しが朝日新聞の2014年1月20日付け夕刊社会面トップに大きく踊った。その横の記事が中国製の毒入り冷凍ギョーザ事件だっただけに、よけいセンセーショナルに受け止められる形になった。
食品偽装が社会問題化している時期だけに、グッズの産地偽装もあるのかと話題になったが、サンリオの説明によれば販売したグッズのタグにはちゃんと「MADE IN CHINA」と書かれていて、それが日本製だけを集めたはずの棚に紛れ込んでしまった、ということらしい。ネットでは朝日新聞の記事に対し「揚げ足取り?」などといった批判も出ることになった。
国内220店舗の点検をすることになった
「中国製グッズ 表示は日本製」と大きな見出しを躍らせたこの記事には、ハローキティなどのキャラクター商品で知られるサンリオの東京・銀座の直営店「サンリオワールドギンザ」で、「日本製」と表示した陳列棚で中国製商品を販売していたことがわかった、と書かれている。しかも、「MADE IN CHINA」と書かれている部分を隠すように値段のシールが張られているものがあり、店員に「日本製はどの商品か?」と聞くと、「全部ですね」と棚を指さし取材に答えた。中国製が置いてあると指摘したところ、店員はあわてて「日本製」の表示を移動させた。また、消費者庁の、
「タグを見ず、棚の表示を見て買う人もいる可能性があり、問題だ」
というコメントも掲載している。サンリオは「意図的な偽装でなく、担当者の勘違いだった」と釈明し、14年1月14日から国内220店舗の点検に乗り出した、と書いている。
今回の「事件」は、早大大学院政治学研究科ジャーナリズムコースの調査報道の実習で、授業の非常勤講師をしている朝日新聞の編集委員の指導のもとに発覚した。13年秋に同大学院修士課程に入った中国人留学生がいて、その友人が父から日本旅行のお土産にもらったハローキティの縫いぐるみが中国製でがっかりしていたことをヒントに、「日本で中国製の商品を買う中国人観光客」を取材のテーマにしたことで行きついたのだという。朝日新聞に記事が出た1月20日、同大学のウエブマガジン「Spork!」に取材を行った学生が書いたサンリオの記事がアップされている。