最後の決め手はトヨタ「オーナー」による説得? 難航した経団連次期会長決定の舞台裏

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豊田章一郎名誉会長は名古屋大の先輩だった

   会員企業の首脳人事にも影響がでかねないぎりぎりの時期になり、米倉氏が白羽の矢を立てたのが榊原氏だった。榊原氏は経団連副会長在任中の最後の1年間、米倉会長を支え、「昵懇の間柄」(米倉会長)だったという。

   いったんは米倉氏の申し入れを断った榊原氏だったが、榊原氏が複数の財界人に要請があったことを打ち明けたことが米倉氏に幸いした。榊原氏が最初に相談をもちかけたトヨタの豊田章一郎名誉会長(元経団連会長)は「我々ができることはすべてバックアップする。天命だと思って引き受けてくれないか」と説得。キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長(同)も電話攻勢を掛けた。豊田氏は榊原氏の名古屋大の先輩で同窓会長も務める実力者。東レにとっても大口取引先であるトヨタの実質オーナーによる説得が最後の決め手になったようだ。

   現職の経団連役職者から選ぶ慣例が守られなかったことに、経団連関係者は「今後は何でもありになりかねない」と表情を曇らせた。

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