最後の決め手はトヨタ「オーナー」による説得? 難航した経団連次期会長決定の舞台裏

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経団連会長は現職の会長・社長から選ぶのが慣例

   米倉氏は感情をめったに表に出さない。「最初から『はい、やらせていただきます』という人はいない」。周囲にそう語る余裕も見せ、川村氏の心変わりを待った。米倉氏は11月下旬ごろ、再度川村氏に電話で意向をたずねた。しかし川村氏はその場で、「2014年4月に日立の会長を退き相談役に就任するつもりです」と打ち明けた。経団連会長は現職の会長・社長から選ぶ慣例を踏まえた「大本命」からの完全な「NO」だった。

   これまで経団連会長人事は現職会長が過去の会長経験者らの意向を確かめながら周到に根回しして決めてきた。しかし、米倉氏が、親しい財界人などに相談した形跡はない。これまでのやり方を無視する米倉氏に、財界の複数の首脳から「川村君ではないのか。いったいどうなっているんだ」と、苛立ちの声が広がり始めたのもこの頃だった。

   経団連の現職幹部には、三菱重工業の大宮英明会長、トヨタ自動車の内山田竹志会長、東芝の佐々木則夫副会長ら製造業出身の副会長もいたが、いずれも、財界経験が浅いことや社内事情、防衛産業であることなどから候補には適さなかった。

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