靖国神社に参拝した安倍晋三首相に対し、中国や韓国でその品格を貶めるようなパフォーマンスが行われたと報じられ、ネット上で批判が出ている。中韓では、政府レベルも含め様々な面で日本への攻撃が強まっている。
トイレでズボンをずり下げた安倍晋三首相が、ふんどしを締めたお尻を出して、こちらを振り向いている――。
「ひざまずいて謝罪しなさい」とムチで叩くまね
韓国の全国紙「京郷新聞」が2014年1月17日、中国・広州市のショッピングモール建設現場にあったと報じた立体壁画だ。記事では、安倍首相が13年12月26日に靖国神社に参拝したことに対し、中韓の世論で反発の声が広がっているとして壁画の写真を紹介した。
もともとは、韓国のブログに載った写真らしく、そこでは、外国の通信社が15日に撮ったものとされている。
また、この記事では、韓国・光州市の税務署向かいにある劇場前で16日、成人向け演劇に出演している舞台女優のイ・ユリンさん(27)が、男性俳優とともに安倍首相の靖国参拝を糾弾する下着パフォーマンスをしたと報じた。掲載された写真では、安倍首相の顔写真のお面を被った俳優が四つん這いになり、その上に下着姿のユリンさんが馬乗りになって、垂れ幕を掲げる姿が写っていた。劇場公演のPRのためではないかとの指摘には、「若者が政治に関心を持ってほしいからだ」と反論したとしている。
ほかの韓国メディアによると、ユリンさんは、当初は全裸ヌードパフォーマンスをするつもりだったが、警察から警告されたため下着は脱がなかった。この日のパフォーマンスでは、安倍首相に扮した俳優に対し、ユリンさんが「ひざまずいて謝罪しなさい」とムチで叩くまねをするなどし、70人余が見物した。
ユリンさんは、12年7月には、日本が独島(竹島の韓国名)を自分の領土だと言い張り、東海を日本海と表記し続けるなら、全裸パフォーマンスをやると発言したとも報じられている。
政府レベルでも、日本への攻勢が強まる
こうした中韓でのパフォーマンスについて、日本のネット上では、「品が無いな」「こんなことで溜飲下げてるの?」「相手にしないのが一番効くんだなw」などと冷めた声が出ている。
とはいえ、安倍晋三首相の靖国参拝を巡っては、中韓の政府レベルでも、抗議の動きが強まっており、一部のパフォーマンスだけに留まらないようだ。
報道によると、フランスに駐在する中国大使が、仏全国紙「ル・フィガロ」の2014年1月16日付投稿で、安倍首相の靖国参拝を批判した。「ヒトラーの墓に花をたむける人がいると想像してみてほしい」などとも訴えたという。中国は、イギリスやアメリカでも、現地有力紙に駐在大使による批判文を寄稿している。
また、韓国政府は、フランスで30日から開かれる「アングレーム国際漫画祭」に慰安婦を主題にした作品を大量出展する計画を進めていると報じられている。慰安婦に関する記録を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録する計画も進めているとされており、両国による日本包囲網が整えられつつある。
これに対し、日本政府は、フランスなどに駐在する大使に中国への反論文を新聞に寄稿させたり、韓国政府の動きに対して抗議したりしてきてはいるが、後手後手に回っているのが実情のようだ。