ヘイトスピーチデモが度々物議を醸している。右派、左派問わず批判が多く、カウンター集団「C.R.A.C.(旧:レイシストをしばき隊)」とのやり合いで逮捕者が出るのも恒例行事のようになっている。
2014年1月19日にも、埼玉・蕨市、川口市周辺でデモが行われたが、「どんどんヘイトスピーチしよう」という姿勢だった上、なぜかナチスのハーケンクロイツまで掲げられる始末だった。ネット上では非難が噴出している。
「言いたい放題、書きたい放題!」ヘイトスピーチを推奨
問題のデモは、在日特権を許さない市民の会(在特会)などが賛同する「行動する保守」の活動予定サイトに、「【西川口~蕨】中国人ほか外国人の入国全面禁止要求デモ」として告知されていた。
主催は「外国人犯罪撲滅協議会」、共催は「チーム悪即斬」という団体で、主旨は、
「中国人および外国人による犯罪撲滅!治安の悪化は多民族化・多人種化が最大の元凶!特に中国人の多い埼玉県西川口から蕨周辺にかけて、特に中国人に多い日本人への帰化と日本人との国際結婚そして混血の阻止を訴えたデモ行進を開催します!それら中国人ほか外国人との共生同化政策にも断固『NO!』を突きつけます!」
と書かれている。
また、このデモは「ヘイトスピーチ・フリータイム」として、「言いたい放題、書きたい放題!拡声器、プラカード、旗、ノボリ類の持ち込み、大歓迎です」と、ヘイトスピーチを推奨していた。他国の国旗の持ち込みは禁じられたが、例外として「ナチ党旗・ハーケンクロイツ」は認められた。
「自らファシスト宣言ですか。世界の鼻つまみ者ですね」
14年1月19日、デモは予定通り行われたが、カウンター活動のため現地に行ったと思われる人が、ツイッターで「蕨のデモ、先頭集団がナチスの旗を背負ってる…。ひどい」と、ハーケンクロイツを背中に巻きつけたデモ参加者の写真付きで投稿し、多くの人にこの問題が広まった。
「こりゃひどい。一線を超えた彼らを許しちゃあかん」「自らファシスト宣言ですか。世界の鼻つまみ者ですね」「最早、クズとか馬鹿じゃ済まされんわな」など非難の声が多数上がったほか、「#1月19日西川口と蕨でのヘイトクライムを許すな」というハッシュタグでも、デモへの怒りが寄せられた。
ドイツではナチを賛美することが違法とされ、ハーケンクロイツを掲げることも、民主主義を否定する行為と考えられている。
もっとも、問題のデモ参加者が巻いていたハーケンクロイツは裏返しになっていて、「卍(まんじ)」になっているという指摘もあり、「こいつらアホですか?」「裏返しwwwwwバカすぎるwww」と嘲笑する書き込みもある。
今回のデモの主催団体の代表・有門大輔氏が1月20日に更新したブログによると、ハーケンクロイツの掲揚を認めたのは、ネオナチを標榜する極右政治団体「国家社会主義者同盟」代表で、埼玉県を拠点としていた故・篠原節氏への「鎮魂歌の意味合いもあった」と説明している。