他の主要生保にも影響
新規契約に対する予定利率は順次下がって現在は過去最低の1%程度。こうした中、さすがに2010年代に入ると、バブル期の高い予定利率の時代の契約も減り、保険各社は次々と「逆ざや」を解消。主要9社の2013年4~9月期決算では、運用上の損益は2001年の数値公表以来、初めて9社全体として利益が出た(400億円超)。2000年前後には9社合計で1兆円を超える損失を出していたことを思えば、運用環境は劇的に改善したと言える。
個別に見れば2013年4~9月期でも朝日生命や三井生命のように逆ざやを解消できていない社もあるが、総じて契約者に配当や保険料値下げで還元する余力が生まれているわけだ。実際、既に第一生命や住友生命は昨年4月に値下げに踏み切っている。今回、日本生命が値下げすることは、他の主要生保にも影響しそうだ。
ただ、若年層の保険離れに「7%の値下げ」がどのくらいの効果を生むかは、未知数だ。少子高齢化が進むなか、死亡保険に医療保険などを組み合わせる従来型の商品の需要が低くなっているという構造的な問題があるからだ。「掛け捨てではない医療保険」など特色ある商品で契約を伸ばす損保系生保が存在感を高めていることも、主要生保の構造転換の遅れを示していると言えそうだ。