権利関係は「ザル審査」?
被害に遭ったのはピザーラだけではない。1月15日には、北日本を中心に展開するドラッグストアチェーン「ツルハドラッグ」も公式サイトで偽アプリへの注意喚起を行った。こちらは「ツルハ e-shop HD 」というオンラインショップの偽アプリで、同じく公式サイトを表示させるだけの仕組みになっている。販売者はピザーラと同じ人物だ。
13年12月27日にはドラッグストアチェーン「マツモトキヨシ」も被害を訴えた。「e!マツモトキヨシHD」と「e!マツモトキヨシ For iPhone」という2種の偽アプリが確認されている。アプリ内には「お店を探し」「価格を比べ」など不自然な日本語表記がある。販売元は「Rui Guo」となっていて、この販売者は他に中国語と英語の発音テストアプリも販売している。
「App Store」のアプリ審査は厳しいことで有名だが、インターネット上には、著作権などの権利に関するチェックが甘いとの指摘が以前からあるようだ。今回の件とは少し異なるが、2010年に村上春樹さんや東野圭吾さんらの人気作を許可なく電子書籍化した「海賊版」アプリの販売が問題になった際、朝日新聞は、Apple社が「(編注:正当な著作権者から)申し出を受けた際には速やかに適切に対処する」との見解を示した一方で、事前審査時のチェックについては言及を避けたと伝えている。
今回の件に関してもネット上では「相変わらずザル審査」「ひどいな仕事してくれ」「審査は中身をチェックするだけで、Appそのものが違法かどうかは感知しない」といった声が上がっている。ユーザーはダウンロードする際に、販売元を一度確認するくせをつけたほうがよさそうだ。
なお、被害に遭った3社はすでにApple社に対してアプリの削除を依頼しているとのことだが、17日時点でアプリは削除されていない。