「長期慢性疾患にまで広げた議論が課題」
治療が難しい疾患は多数あり、制度開始時のスモンなど4疾患だけから、40年かけて56まで増えたとはいえ、対象になっていない難病の患者からは不公平だという声があった。助成の事業費は2013年度予算で総額1342億円と、ここ10年で倍増しているが、本来は国と都道府県の折半のところ、国が財政難で4分の1しか負担せず、都道府県の負担が重くなっているという問題もあり、今回の制度見直しになった。
今回の改革に患者団体は、自己負担の上限月額が当初案の月4万4000円から3万円、継続して高額な医療を受ける患者は最大月2万円に抑えられことなどから、「大きな負担が出る患者は少なくなった」(伊藤たてお・日本難病・疾病団体協議会代表理事)と、一定の評価をしている。
新たな助成対象疾患は、「患者数が人口の0.1%以下」「診断基準が確立している」といった基準で、厚労省に第三者委員会を設けて決めるが、医療費助成の対象から外れる難病も残る。このため、難病の助成制度の枠組みにとどまらず、「長期慢性疾患にまで広げた議論が課題」(患者団体関係者)との指摘も出ている。