2013年に6年ぶりの1500万台を回復した米新車販売市場で、日本メーカーの苦悩が深まっている。
シェールガス革命で米国内のガソリン価格の低下傾向が続いていることを受けて、ピックアップトラックなど排気量の大きい中・大型車の復調ぶりが鮮明になり、ここ数年、ハイブリッド車など環境・省エネ対応車で攻勢をかけた日本勢が戦略変更を迫られかねないためだ。
フォードやクライスラーが高い伸び
「オバマ大統領が強調していたエコやグリーンという言葉がまるで死語になったみたいだ」
日産自動車の幹部がため息をついた。同社は2012年から米国で電気自動車リーフを現地生産している。リーフの販売台数は公表していないが、「想定を大幅に下回っているのは事実」とこの幹部は認める。
2014年1月3日に米調査会社が発表した2013年の米新車販売台数は前年比7.6%増の1560万199台と高い伸びを示した。しかし、メーカー別・車種別の販売をつぶさにみると明暗がはっきり分かれる。
最も健闘したのが米国勢だ。ゼネラル・モーターズ(GM)は前年比7.3%増(278万6078台)、フォード・モーターは10.8%増(248万5236台)、クライスラーは9.3%増(175万7132台)と、いずれも最近にはない高い伸びだった。