色あせた早大三羽ガラスが合同自主トレ 誰が最初に「戦力外」になるか、崖っぷちの始動

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   すっかり忘れかけていた斎藤佑樹(日本ハム)、大石達也(西武)、福井優也(広島)の早大三羽ガラスが2014年1月13日から横浜市内でトレーニングを行った。

   いずれも「今年にかける」思いなのだが、さて…。

2010年のドラフトで、11球団が3人を指名するも……

   「一緒にやろう」と誘ったのは福井。3人そろってトレーニングするのはプロ入り4年目で初めてのこと。昨年はだれも勝ち星なしという同じ事情を抱えていたから、初心に返って、ということなのだろう。

   このトリオ、2013年のシーズンはひどいものだった。斎藤は右肩を痛めて登板は1試合のみ。大石は8セーブを挙げたものの防御率は6点台。福井は12試合のマウンドだった。「期待外れ」「評判倒れ」が過去3シーズンの評価である。

   2010年秋のドラフト会議は彼らのために開催したようなものだった。1番人気は大石で6球団から指名を受けた。斎藤が4球団、福井は1球団だったが、3人合わせて11球団が手を挙げた。いずれも「契約金1億円プラス出来高」と「年俸1500万円」。

   ちなみに残る1球団は巨人で、中大の沢村拓一を単独指名して獲得。2011年シーズンの新人王となった。

   三羽ガラスは昨年終了時点で、斎藤11勝14敗、大石1勝1敗8セーブ、福井10勝13敗と、契約金の総額と勝利数の関係は「1勝1360万円」となる。あのころ、だれが3投手の今の姿を想像しただろうか。気がついたら名前すら挙がらなくなっていた。

   最も落差が激しいのは斎藤。甲子園、神宮の優勝投手で、大石や福井よりも知名度ははるかに高かった。プロ入りしたとき、楽天の田中将大がよく引き合いに出された。高校時代、甲子園の決勝で斎藤が勝ったときの駒大苫小牧の最終打者が田中。テレビではその映像が流され続けた。

   その田中は今や大スターに駆け上った。昨年は24勝無敗。チームを初の日本一に押し上げ、MVPに選出された。日本シリーズの最後をリリーフで飾ったシーンが何度も流されたとき、こう言った。

「いつも、あの映像(斎藤との甲子園対決)ばかりだったので、ようやく勝ったシーンが出ました」

   田中は今年、大リーグでプレーするべく交渉中。なんと100億円の契約金が見込まれているほどの出世である。斎藤自身が現実を味わっていることだろう。

   斎藤、大石、福井はもう「お客様扱い」ではない。福井が「勝負の年」と今シーズンを位置付けた。では残る二人は…。大石を「今年こそ」とすれば、斎藤は「背水の陣」というところだろう。だれが最も速く「戦力外通知」を受けるか、というカケが生まれそうな状態だ。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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