所得収支の黒字を増やすしかない?
経常収支を改善するためには、まず輸出を増やすか輸入を減らすかすることが考えられる。ただ、貿易収支の改善はエネルギー問題が背後にあり、時間がかかりそう。企業にとってエネルギーコストの高止まりは工場の海外移転の判断材料になり、そうなれば「輸入増、輸出減」の状況は変わらない。
そこでもっとも現実的なのは、企業の直接投資を進めて所得収支の黒字を大きく増やすこと。
前出の小田切尚登氏は、「そもそも円安ですべてを解決できるはずがありません。そういった(円安の)中でも、企業は海外投資を積極的に進めていくしかないですし、(米アップルやグーグルのように)ノウハウやソフトウェアで稼ぐことができるようにならなければなりません」と話す。