東京都知事選に出馬表明した細川護煕元首相(76)について、東京佐川急便から1億円を借り入れた過去の問題をぶり返す動きも出ている。細川氏側は、「全額を返しており、影響はない」と反論している。
細川護煕氏は1994年4月、1億円借入の責任を取って、わずか9か月で首相を辞任している。自民党1党支配を終わらせた連立政権だっただけに、突然の辞任に失望の声も広がった。
「猪瀬直樹前都知事と同じ状況ではないか」
もう20年も前の話だが、今回の出馬表明で、あれはどうなったのかとの声がネット上などで出ている。
同時に出馬表明した舛添要一元厚労相(65)を推す自民党からも、異論の声が上がった。自民党都連最高顧問の深谷隆司氏(78)は、ブログで当時のことを振り返って「晩節を汚す」と出馬を批判している。
当時の細川氏は、深谷氏らの国会追及で、1億円借入について、「マンションを買うため」「土門や土塀を直すため」などと釈明した。しかし、深谷氏はブログで、これらの代金は佐川から借りる前に支払っていたことが当時の調査で分かったと指摘した。そして、1億円は、細川氏が1983年の熊本知事選に出馬する直前に借りた政治資金だったとして、政治資金規正法などに抵触する可能性があったと明かした。
細川氏は当時、9回に分けて1億円を佐川に返したと説明している。その後、領収書の控えが佐川側から見つかったとしたが、それは佐川側の印鑑が押されておらず、収入印紙も貼られていないものだった。
これに対し、深谷氏はブログで、5000万円を徳洲会から借り入れただけだと主張した猪瀬直樹前都知事と同じ状況ではないかとして、「猪瀬氏が駄目で細川氏がいいわけはない」と批判している。
自民党以外からも、細川氏の1億円問題については批判的な声が出た。