ベンチャー企業の名前は「関係者との紳士協定により現段階で明かすことが出来ない」
原田氏側の反応は素早かった。同日中にブログが更新され、問題の原稿が掲載されるまでには編集部側と通常のやり取りをしており、「その間、同編集部からは掲載の可否について事前に一切のコメントは無かった」ことから、編集部側の「一方的な指摘には全くあたらないものと考える」と主張した。
また、翌1月11日のブログによると、実験はA社以外の関係者の都合で延期になったというが、
「実施は『無期延期』ではなく、『日程調整』をあらためて行っているに過ぎない」
として、プロジェクトは引き続き行われていることを強調した。東洋経済オンライン編集部の発表では「本記事の掲載を中止」とあるのみだが、東洋経済新報社の広報担当者によると、連載そのものも打ち切られた。編集部は原田氏と直接面談して記事の根拠を問いただした上で、連載打ち切りと謝罪コメント掲載の考えを伝えたという。原田氏側は打ち切りの決定に対して、陰謀論ととれる議論まで展開している。
「彼らは一体、何を隠そうとしているのか。何が『不都合な真実』なのか」
ただ、肝心のベンチャー企業A社と、実験が行われることになっている「有名国立大学」の名前については、
「関係者との紳士協定により現段階で明かすことが出来ないことは心苦しい限り」
と記載があるのみで、発明の真偽を第三者が客観的に検証することはできない。