村山談話、河野談話が「正しい歴史認識だ」
安倍首相からの日韓首脳会談開催の呼びかけを拒否し続けている朴大統領。両者は1月22日からスイスで開催される「世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」に」出席するが、早々に「日韓会談は行わない」との意思表示をした。米ブルームバーグの記者が「安倍首相と握手しないのか」と問われると「握手の問題ではない」とはねつけた。妥協の余地なし、といったところだ。
米CNNの1月13日のインタビューでも、相変わらず「歴史認識」を安倍首相に投げかけている。聞き手から、靖国参拝に踏み切った安倍首相の姿勢をどう見ているかを問われると、「日本とは、正しい歴史認識をベースに未来志向の関係が築かれることを望んでいる。私としては次世代に、両国の友情や協調を残していきたい」とこたえた。これまで2国間で良好な関係が構築できていたのは、日本の歴代首相が村山談話、河野談話を継承する意思を明確にしてきたからで、「これこそが正しい歴史認識だ」と強調した。
安倍首相との「すれ違い」を修正せず、批判のボルテージを下げない姿勢は、韓国で全面的に賛同を得ているとは必ずしも言えないようだ。韓国のシンクタンク、アサン政策研究院によると、首脳会談の開催については「賛成」が49.5%と反対の40.7%を上回り、両国の関係改善のために朴大統領が積極的に取り組むべきとこたえた割合は57.8%に上った。
主要紙「中央日報」電子版(日本語)は1月9日付の社説でこの数字を引用し、「私たちの対日外交のやり方も、より緩やかになるべきだと見る。名分と実利を調和させていく『実事求是(事実に基づいて真理を探究すること)』の姿勢が望ましい」と主張。正しい歴史認識を求める重要性は認めつつも、日韓関係全体を左右しないようなバランスのとれたアプローチが必要だと説明した。
ただし1月11日付の記事では、野田前首相の「女学生のような『言いつけ外交』」発言について「朴大統領の外交を卑下(原文のママ)した」と猛反発。元駐日大使の「首相を務めた人が外交慣例に外れる常識外の妄言を吐いたのに驚く」との指摘を引用し、政府や駐日大使館では、「政治を間違って政権を譲り渡した敗北者の言葉にいちいち対応する必要があるのか」と不快感を表す反応が出てきたと紹介、野田前首相を「失敗者」と位置付けた。