日本人の主食であるコメの消費が低下している。農林水産省によると、主食米の需要は、2013年度(2013年7月~2014年6月)に787万トンから、2014年度(2014年7月~2015年6月)に778万トンとなる見込み。
主食米の需要は2001年度以降800万トン台で推移してきたが、2012年度に781万トンと初めて800万トンを下回り、その後も低下傾向が続いている。国民1人当たりのコメの年間消費量に換算すると、1962年の118キロをピークにコメは減少傾向が続いており、現在は56キロと半減している。
主食のご飯よりも、肉などのおかずをたくさん食べるようになった
日本人のコメ離れは、パンとコメの支出金額にも反映されている。総務省の家計調査によると、2011年の1世帯当たりのパンの購入額は年間2万8321円となり、コメの2万7425円を初めて上回った。2012年はコメがわずかにパンを上回り、復権を果たしたが、2013年は再びパンがコメを引き離すのが確実だ。
食卓でコメの地盤沈下が続くのは、日本人の食生活の変化が理由と考えられている。コメの年間消費量を茶碗に換算すると、日本では1965年度に1日5杯、米飯を食べていたが、現在は3杯弱となる。だが、日本人がコメの代わりにパンや麺類をたくさん食べるようになったわけではない。農水省によると、1960年代に比べて増えたのは肉類と、植物油・バターなど油脂類だ。肉類は5倍、油脂類は3倍に増えた。「日本人の食生活が豊かになり、主食のご飯よりも、肉などのおかずをたくさん食べるようになったのがコメの消費が減った原因で、食料自給率も低下した」(農水省幹部)というわけだ。