「発信力がすごい。広告代理店みたいな男」
こうした影響力に目をつけて、新たにCM契約を結ぶ企業も。
オリンパスは移籍の決まった13年12月11日、本田をイメージキャラクターに起用すると発表し、20日からテレビCMなどの製品プロモーションを本格的に開始した。新宿西口には本田の顔が張り出され、読売新聞や朝日新聞、日経新聞の一ページ広告にも登場した。
年が明けてからはさらに勢いが加速している。ユニクロは1月17日から順次オンエアする新CM「進化するジーンズ~将来の夢~篇」に本田を起用する。
「大人になったら世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる。」で始まり、「世界一練習し、外国から呼ばれて、ヨーロッパの セリエAに入団する。」と続く小学校の卒業文集で書いた作文「将来の夢」を、現在の本田自身が朗読する。日本人プロサッカー選手として「世界一になる」という目標に向けて、努力を惜しまず世界を舞台に「進化」し続ける彼の姿が起用の決め手になったようだ。
もともとスポンサー契約を結んでいたミズノも8日、本田と共同開発したサッカーシューズ「WAVE IGNITUS3 MD(ウエーブ イグニタス3 エムディー)」に、新たに「K.HONDA」の文字と背番号「10」を入れたオリジナルモデルを製作したと発表した。デビュー戦から着用したようだ。唯一無二の"太陽 (SOL)"をモチーフにしたデザインで、本田選手がチームの中で、なくてはならない絶対的存在であることを表現したといい、「ミズノは引き続き、本田選手の新天地での活躍をサポートしていきます」とアピールする。
本田はサッカーだけではなく広告塔としても大活躍というわけだ。星稜高時代の恩師、河崎監督はサッカーに留まらない本田の能力をこう評していたという。
「ボキャブラリーではなく、発信力がすごいんだ。広告代理店みたいな男よ。周囲を巻き込んでいく力は生まれ持ってのもの」
国際的に活躍し、CMに頻繁に登場する日本人のスポーツ選手といえば、イチローが思い浮かぶが、本田がイチローを超える日も近いかもしれない。