10年の「龍馬伝」で高知県への経済効果535億円
テレビで放送されたニュース・番組でくまモンが取り上げられた時間は、合計127時間。「全国ネットのテレビ放送、全国紙記事を中心に、2012年秋以降の増加が目立った」という。日銀熊本支店は「試算の調査対象が網羅的とは言えないことから、実際のパブリシティ効果は、試算よりも大きいと考えられる」としている。
くまモンの経済波及効果を相対的に比較する資料は少ないが、日銀は全国の各支店が毎年のNHKの大河ドラマの経済波及効果を同様の手法で試算している。2003年以降の大河ドラマで最も経済波及効果が大きかったのは、10年の「龍馬伝」で高知県が535億円、長崎県が182億円。次いで2008年の「篤姫」での鹿児島県の262億円。日銀松江支店が調べた出雲大社大遷宮は285億円というから、単純比較はできないものの、くまモンの経済波及効果の大きさがわかる。2012年のくまモンの経済波及効果は熊本県の県内総生産を約0.5%押し上げ、2013年のパブリシティ効果は熊本県のくまモン関連予算(約2億円)の約25倍に上った。
日銀熊本支店は「くまモンの経済効果はこれまで相当大きくなってきたと評価できる。今後はくまモンのブランド価値の向上と維持が必要になるとみられる。くまモンと熊本の関連性をどのように強めていくか、これまでの成果を持続させる体制・仕組みをどのように作るかなどが課題になる」と指摘している。