みずほFG、再発防止で「委員会設置会社」に 旧3行で分け合うOB人事にも監視の目

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委員会のメンバーの過半数を社外取締役に

   それでは、みずほが今年6月の株主総会で移行を決める「委員会設置会社」とは何か。会社経営の監督と業務の執行を明確に分けるのが、その特徴だ。

   従来の日本企業の「取締役」が行ってきた会社の具体的な運営(業務の執行)を「執行役」の役目とし、取締役会の権限は基本的な経営事項の決定と執行役の監督とする。さらに、取締役会の下に役員人事を決める「指名委員会」、役員の報酬を決める「報酬委員会」、業務が適切かをチェックする「監査委員会」を設け、各委員会のメンバーの過半数を社外取締役とする。みずほの場合、取締役会議長も社外とする。そのことで「外部の監視」を強め、経営の透明性を向上させようというわけだ。2013年10月末現在で上場企業のうち、ソニーなど57社が導入している。

   佐藤みずほFG社長は2013年末の記者会見で委員会設置会社の導入について「(富士、第一勧業、日本興業の)旧3行のしがらみへの懸念を踏まえ、人事の問題を払拭する」と強調した。しかし一方で佐藤氏は旧3行の経営統合から10年以上経っても「一つの企業文化にしていくことは一朝一夕にできない」とも語り、問題の根深さをうかがわせる。

   そこで委員会設置会社とは別に、OB人事の管理に一歩踏み込む。出世レースから外れた行員の再就職先を旧3行が分け合う慣例に、外部監視のメスを入れようとするもので、具体的には「指名委員会の下にOB人事の管理を担う組織を作る。プロセスと意思決定を第三者の目で見てもらい、どういう人がどういう組織に行くのかという意味での透明性を徹底的に高める」(佐藤社長)という。ただし、どこまで「外部性」を保てるかは、実際に組織ができ、動き始めてみないとわからないようだ。

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