薄型テレビの「競争相手」はパソコンにスマホ?
―― 薄型テレビが継続的に売れるには、何が必要なのでしょうか。
山形 たとえば、現在はテレビでインターネットの動画を見るということが多くの人にとって習慣になっていないのではないでしょうか。地上波やBS、CSとチャンネルこそ違いますが、テレビは放送されている番組(コンテンツ)を見るモノとして定着していて、他のコンテンツを見るという発想そのものがありません。
実際に、そうやって長年テレビを見てきたのですから、仕方がないことではありますが、たとえば、これまでYouTubeの動画をパソコンで見ていた人が、最近はスマートフォンで見ているように、なぜ大画面テレビでYouTubeの動画を見ないのでしょう。それはおそらく、単純に習慣がないからです。
大局的に「映像を見る」ということを考えると、テレビとスマートフォンやタブレット端末、PCは競合する機器といえるのかもしれません。そうしたとき、大画面テレビでYouTubeなどのインターネット動画も視聴してもらえるようになる、すなわち、テレビで視聴するコンテンツが多様化すれば、今後テレビに対する需要も伸びてくる可能性は十分にあります。
山形雄策氏プロフィール
やまがた・ゆうさく 2006年ジーエフケーマーケティングサービス(GfK)ジャパン入社。アナリスト。テレビをはじめとした映像・音響製品などの市場分析に従事。