深刻化する日本財政に新たな難問 インフラ更新費、10年後に現状の4割増 

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   道路や港湾、空港などインフラ(社会資本)の維持管理・更新に必要な費用が10年後の2023年度には年間で最大約5兆1000億円に上る見通しであることが、国土交通省が行った推計で明らかになった。

   2013年度の維持管理・更新費は3兆6000億円で、約4割増に拡大する見込みだ。インフラの老朽化は社会的に関心が高まっているが、対策の進め方については慎重な検討が必要だ。

笹子トンネルの天井板崩落事故を機に注目

高速道路の老朽化が進む(写真はイメージ)
高速道路の老朽化が進む(写真はイメージ)

   推計は国交省の審議会がまとめた答申に盛り込まれた。国や地方公共団体などが管理する道路や下水道、公営住宅、官庁施設など10分野を対象に、過去の維持管理・更新実績などを踏まえ、将来必要とされる費用を算出した。

   それによると、10年後の維持管理・更新費は年間4兆3000億~5兆1000億円にのぼる。さらに20年後の2033年度には、4兆6000億~5兆5000億円に膨らむとしている。

   インフラの老朽化については、約1年前の2012年12月に起こった中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故を機に広く注目を集めた。日本の道路や橋などは高度経済成長期の1960年代に集中して作られた。このため、今後、一斉に老朽化が進むとみられており、国交省によれば、全国の道路橋(15メートル以上)のうち、建設後50年以上経過したものは2011年度では約9%だが、10年後には約28%、20年後は約53%とされる。笹子トンネル事故のような多数の人命にかかわる重大なトラブルを未然に防ぎ、安全確保に備えるためには老朽化対策は欠かせないとの要望が増えている。

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