2014年4月の消費税率アップを前にして、自動車の駆け込み需要が本格的に動き始めた。長年、同じ車に乗り続けてきた低年式車ユーザーの乗り換えや、他社の車に乗っていた新規ユーザーの来店が増えて、初売りイベントを行うディーラーの店頭は賑わっている。
ただ、ハイブリッド車(HV)など一部の人気車は、生産能力の関係で消費税5%が適用される13年3月末までの納車が間に合わないケースもある。毎年1~3月は決算前に車を売りまくる熱い季節だが、例年以上に勝負の早い年度末商戦になりそうだ。
3月末までと4月以降では購入総コストに差がつく場合が
トヨタ自動車が一度廃止を決めながら、トヨペットディーラーの強い要請で復活を決めたハリアーは、発売から1か月後の13年12月12日までに2万台を受注した。月販目標の8倍に当たる。すでに上級モデルはHV、ガソリンとも4月以降の納車となり、HVはベースグレードも消費税8%での購入が時間の問題だ。近年、新型車の購入層は50代以上が主体となることが多いが、トヨタによるとハリアーは30代が25%、40代が24%を占めるという。272万円~447万円(消費税5%込)と高額ながら比較的若い層が買っているのが特徴といえる。
HVや、燃費基準を満たしたガソリン車はもともと自動車取得税がゼロなので、消費税率引き上げと同時に実施される自動車取得税率見直し(登録車5%→3%、軽自動車3%→2%)の恩恵がない。このため、3月末までと4月以降では購入総コストに差がつく。