金を買う人が増えている。2012年度までは金を買う人より売る人が多かったが、2013年度は04年以来、9年ぶりに実需がプラスに転じる公算が大きいとみられる。消費者物価指数(CPI)が上昇し、モノの値上がりが意識されるなか、「インフレに備えた資産保全」を理由に金の現物買いが増えている。
一般に、金はモノの価格が下がるデフレで売られやすく、インフレでは買われやすくなる。
国内シェアで首位の田中貴金属工業グループによると、2014年1月9日の金の小売価格は前日比9円安い、1グラムあたり4374円(税込)。13年4月には5000円を超えていたこともあり、かなり下落した。
金地金販売量をみると、13年4~9月で前年同期比9割増の22.4トン。買い取り量の17.3トンを上回った。10~12月も販売が多かった。14年3月にかけては消費増税前の駆け込み需要も予想される。