現在のゲーム機器では、ソニーのプレイステーション(PS)用ソフトならば、ソニーのゲーム機でしか遊べない。任天堂の「wii」「3DS」なども同じだ。そのためゲームファンは複数のゲーム機を所有している例が多いが、ソニーはゲーム機なしでもゲームをプレイできるサービスを開始する。
これまではゲーム機にソフトをダウンロードして遊んでいたのを、ゲームコンテンツ自体はネット上(クラウド)に保存しておき、ゲーム機やテレビ(ネット接続できるもの)、さらにはスマホやタブレットからでもプレイが可能になるというわけだ。
こうしたことから、ネットではソニーは将来ゲーム機事業から撤退するのではないかという見方が出ている。
他社のテレビでも「PS3」のソフトがプレイできる
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、「PS」用ソフトを配信するサービス「PlayStation Now」(PS Now)を14年夏からアメリカで開始すると2014年1月8日に発表した。クラウドコンピューティング技術を使い、プレイステーションのゲームをストリーミングで配信する。
SCE広報によればこのサービスは「PS4」が既に発売されているアメリカをスタートに、順次世界各国に広げていく計画で、まずは「PS3」用ソフトをゲーム機の「PS3」「PS4」に配信し、携帯型ゲーム機の「PS Vita」でも遊べるようにする。
さらに、ソニーのテレビ「BRAVIA」でもプレイできるようにし、将来的にはネットワークに繋がっているものならば他社のテレビや他社の家電製品を使っても遊べるようになるのだという。つまり専用のゲーム機はなくても大丈夫ということだ。
ストリーミング技術の進歩と、家電製品のネット化、ハイテク化が背景にある。米ラスベガスで14年1月7日(現地時間)から開催している世界最大のコンシューマー向け家電見本市で今回の配信サービス「PS Now」を披露しているが、「PS3」用ソフトを「PS3」でプレイするのと比べ違和感なく楽しめた、などと好評だという。