「海外での受注拡大に活路を見出すしかない」 東芝が英原発事業会社を買収、拡大狙う

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日立も12年に英国で原発事業会社を買収

   ただ、英国でも福島第1原発事故のあおりで、原発の安全対策のハードルが上がり、安全確保のためのコストが上昇している。このため英国やドイツの企業が原発計画から撤退するなどの動きが出ており、イベルドローラも経営合理化のためにニュージェン株式の売却先を探していた。英国での受注を目指す東芝と、思惑が一致し、今回の合意に至ったわけだ。

   日立製作所も2012年に英国で原発事業会社ホライズン・ニュークリア・パワーを約850億円で買収した。三菱重工業が2013年にトルコの原発受注で実質合意したほか、東芝はフィンランドなどでの受注も狙っており、日本勢は新興国を含む海外での受注活動を活発化させている。日本国内の原発新増設はストップし、再稼働も進まず、「海外での受注拡大に活路を見出すしかなくなっている」(関係者)からだ。

   ただし、海外頼みにはリスクも小さくない。原発計画は国の政策に左右され、事故が起きた際の責任の範囲がどこまでか予め見極めにくいなど、不透明な部分があるからだ。原発輸出に積極的な中国などとの競合も激しさを増しており、容易には受注できなくなる可能性も高まっている。

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