過半数の自治体が「特典」付き
同省が2013年4~6月に行った自治体へのアンケートによると、寄付者に対しては47都道府県のうち23の都道府県(49%)と1742市区町村のうち909市区町村(52%)が特産品やその地域で使える割引券、商品・宿泊券などの特典をつけている。ふるさと納税の情報を集めたサイト「ふるさとチョイス」も登場している。
具体例を見てみよう。鳥取県米子市は地元企業の協力も得て、1万円以上の寄付者にハムの詰め合わせや黒豚、地鶏など64種類の特産品(5000円相当)の中から好きなものを送る(3万円の寄付なら2品)。寄付金は2008年度1067万円が2012年度は8906万円に増えた。2013年5月から寄付額と同等の地元産のコメを贈るのが長野県阿南町で、1万円で20キロ、2万円で40キロ。高額特典は大きな反響を呼び、2012年度270万円だった寄付が、2013年度は11月5日に今年度のコメの受付を打ち切った時点で1億円を突破した。
地元に来てもらって地域経済振興と一石二鳥を狙うものもある。群馬県中之条町は5万円以上の寄付を対象に町内産米などを特典として贈っていたが、例年寄付する人は十数人程度で、2012年度の寄付額は約150万円と伸び悩んでいた。そこで、5000円以上の寄付で半額相当の町内飲食店や旅館でのみ使える「感謝券」を贈呈するようにした。「ふるさとチョイス」サイト上でPRを始めた10月25日から1か月半で約200人から計1000万円以上の寄付集まったという。