都知事選「もう飽きた」? 都民の関心盛り上がらず 3年足らずで3回目、費用は計130億円

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   猪瀬直樹・前東京都知事の辞職に伴う都知事選は2014年1月23日告示、2月9日投開票に決まった。

   2020年東京五輪を主催する首都の顔を選ぶ重要な選挙とはいえ、約3年の間に3回目とあって、合計すると、費用も130億円と半端ではない。

「後出しジャンケン」の揶揄

次なる「首都の顔」は?(写真は東京都庁)
次なる「首都の顔」は?(写真は東京都庁)

   都知事選は巨大な浮動票、無党派層の票が勝敗を決するだけに、単純な組織選挙で勝てないというのが常識。このため、「後出しジャンケン」とも揶揄されるように、公示直前に名乗りを上げ、一気にブームを作る風潮が最近の傾向だ。今回も告示まで1か月を切りながら、立候補への動きは鈍い。

   舛添要一元厚生労働相(前参院議員)、東国原英夫前宮崎県知事(前衆院議員)らの出馬が取沙汰されているものの、6日までに出馬表明している有力候補は前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏だけ。2012年の前回都知事選にも立候補した宇都宮氏は「後出しジャンケン」を批判し、前回と同じく脱原発などの政策に掲げる。

   候補が決まらない一方で、都知事選をめぐり、報道やネット上で最も話題になったのが選挙に要する費用だ。今回は約50億円と試算されている。本来、石原慎太郎氏が当選した統一地方選の2011年4月から次回まで任期を全うすれば、2011年1回分の42億円で済んだはず。石原氏の突然の辞職に伴う2012年12月の都知事選は衆院選と同日選となったため、国と負担を分担して費用が抑えられ38億円ですんだが、今回の50億円も加えた3回で計130億円もの費用がかかることになる。

ネットでは「5000万円で50億円の無駄」

   今回の50億円の内訳は、大半が投開票業務にかかわる職員の人件費。ほかにも都内約1900か所の投票所や約1万4000台のポスター掲示板、約60か所の開票所、約300か所の期日前投票所などの設置費、投票用紙や選挙公報の費用、選挙カーの燃料費など。

   都民の税金がつぎ込まれるだけに、ネット上では「税金の無駄使いだ」「そもそも選挙に金がかかりすぎ」などという不満が渦巻き、猪瀬前知事が医療法人「徳洲会」から5000万円を受け取った問題を追及したマスコミにも矛先を向け、「さんざん叩いて辞職させたくせに」「5000万円で50億円の無駄」「辞職させて無駄遣いに荷担している」などと、やや的外れな批判も飛び交う。

   こうした不満の根底には、「誰が知事になっても同じ」「選挙に飽きた」といった冷めた雰囲気があるのも事実。「特定秘密保護法の強行可決で支持率に陰りが出ている安倍晋三内閣に対し、野党が巻き返す大きなチャンス」(大手紙政治部デスク)にもかかわらず、好機を生かし切れていない野党の不甲斐なさもあって、このまま選挙戦に突入しても都民の関心が高まらず、投票率は、総選挙と同日だった前回の62・60%はもちろん、統一地方選の中の2011年の57.80%も下回るとの懸念が、早くもささやかれている。

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