日本で最も面白い漫才師を決める「THE MANZAI」の2013年王者に輝いた「ウーマンラッシュアワー」が、大御所芸人・志村けんさん(63)から思わぬダメ出しをされてしまった。
志村さんは2014年1月3日放送のラジオ番組でコンビのネタに触れ、「何を言ってるか分からない」などと辛らつなコメントを寄せた。
「お客さん、分かってウケてるのかな?」
ボケ担当の村本大輔さんとツッコミ担当の中川パラダイスさんによる「ウーマンラッシュアワー」は、年末の「THE MANZAI 2013」で1885組の頂点に立った人気お笑いコンビだ。村本さんのまくしたてるような早口が売りで、スピード感のある漫才が観客を巻き込み、爆笑を誘う。THE MANZAIでは、審査員のテリー伊藤さんから「ツービート(編注:ビートたけしさん、ビートきよしさんによるお笑いコンビ)以来の衝撃」とも絶賛された。
そんな乗りに乗っているコンビのネタに、芸歴40年以上の志村けんさんが難色を示した。自身がパーソナリティを務めるラジオ番組「志村けんの夜の虫」(TBSラジオ系)でウーマンラッシュアワーについて言及し、開口一番に「あいつら、何なの?」とコメントしたのだ。「全然、何言っているか分からないの。お客さんはウケてるんだけど、分かってウケてるのかな?」などと話し、ネタの内容が聞き取れないと主張した。
早口ネタにより集中して聞いてもらえる効果も?
その後、枡田絵理奈アナウンサーが「ついていくのは必死ですけど、一応言っている内容はわかります。面白いなって思います」と擁護したが、志村さんは「マイクで言ってるんだけど、分からないのよ」「喋って、最後にしたり顔するんだけどね」などと困惑気味だ。最後には「あれがTHE MANZAIで優勝したとなると、もうターゲットは中高生だけだな」「ゆっくりわからせた方が、笑えると思うけどな」「ほんと正直、俺たちの年代は笑えない」と辛口評価を下した。
実際、ネタ中の村本さんのしゃべりは超がつくほど高速なため、聞き取りやすいものではないのは確かだ。その点については本人も認識しているようで、たとえば「バイトリーダー」を扱ったネタでは「おじいちゃんおばあちゃんの前でこの漫才をこのスピードでやったら、アンケート用紙に思いっきりでっかく『?』って書かれた」「おじいちゃんおばあちゃんからしたら英語のほうがまだましかもしれない」などと話し、笑いを誘っている。
しかしその一方、早口ならではのメリットもあるようだ。先のバイトリーダーネタは今では傑作として名高いが、もともとはゆっくりとした口調だったのだという。それを早口にした理由について、村本さんは「サラリーマンの宴会で営業をやっていたときに、お客さんが全然聞いてくれなくて。(中略)それでものすごい早口でネタをやったら、みんなが聞こう としてシーンとなったんですよ」とシネマトゥデイのインタビューで語っている。早口は、情報量の多いネタをお客さんに集中して聞いてもらうための策なのかもしれない。