公共事業を軸とする5.5兆円規模の経済対策に期待
その内需で政府が大きく見るのが、年末にまとめた公共事業を軸とする5.5兆円規模の経済対策の効果。GDP押し上げ効果は、民間の0.5ポイントに対し政府は0.7ポイントと高く見ているのだ。ただ、東日本大震災の復興やこれまでの経済対策で膨らんだ公共事業予算は、人手不足などでこなしきれず、国の2012年度決算で3.8兆円を2013年度に繰り越した。今回の対策による押し上げ効果が計算通りいくかは予断を許さないというのが大方の見方だ。
政府は2014年末には消費税率を2015年10月から10%に引き上げるかどうかを判断する。2014年4月の消費増税による落ち込みをうまく乗り越えて成長軌道を維持できなければ「財政健全化に不可欠の10%への増税判断にも影響しかねない」(経済官庁)。増税回避にでもなろうものなら、「財政悪化懸念から国債が暴落するなどアベノミクスは崩壊する」(財政審議会委員)との最悪のシナリオが現実味を帯びてくるかもしれない。手詰まり感が表面化する前に民間の活力を引き出しせるか、すべてがそこにかかっている。