名古屋市が実施した「市政世論調査2013」(10月29日~11月12日調べ)で、名古屋のまちが「住みやすい」と答えた人が9割を超えたことがわかった。無作為に選んだ20歳以上の市民1052人から有効回答を得た。
名古屋が「住みやすい」と答えた人に、その理由を聞いたところ、「買い物する場所などが近くにあって生活に便利」(66.5%)と最も高く、次いで「交通の便がよい」(65.9%)となった。
「地理的に日本各地への移動が便利」63.1%
名古屋が「住みやすい」と答えた人の多くが、生活利便のよさと住環境のよさを理由にあげた一方で、名古屋が「住みにくい」と答えた1割未満(5.0%)の人があげた理由は、「交通の便が悪い」(52.3%)が最も多く、「治安が悪い」(40.9%)、「買い物する場所などがなく生活に不便」(27.3%)、「建物や歩道のバリアフリー化が遅れている」(27.3%)、「地震や風水害等災害への備えが不十分」(25.0%)と続いた。
前回調査(3月19日発表)で34.5%だった「子育て環境に問題がある」は、22.7%に後退した。
市民経済局は、「ここ数年、『住みやすさ』『住みにくさ』の理由について、傾向は変わりませんが、詳細な分析はこれからになります」と話した。
また、名古屋の魅力については、「地理的に日本各地への移動が便利」が63.1%で最も多かった。東京と大阪のあいだで、近年は中部国際空港(名古屋からは約40分)からの空の便もあり、利便性は高まっている。
次いで、「水道水がおいしい」が47.9%、トヨタ自動車に代表される「ものづくりの拠点としての技術水準の高さ」が46.3%。「道路が広くて整備されている」(44.5%)、織田・豊臣・徳川の「三英傑ゆかりの地で歴史がある」(40.9%)などだった。
逆に名古屋の悪いところや嫌いなところでは、「夏が蒸し暑い」が65.3%。「観光名所が少ない」(47.0%)や「交通マナーが悪い」(44.7%)などの回答が目立った。
名古屋に「愛着感じる」8割超
なにしろ、9割超の市民が名古屋は「住みやすい」と回答したのだ。今の地域にずっと「住み続けたい」という人も46.3%いた。「どちらかというと住み続けたい」と答えた人は38.0%で、今の地域に住み続けたい人は合計で84.5%に達する。
名古屋を「自分のまち」として「愛着を感じている」人は41.3%、「どちらかといえば感じている」人の42.5%とあわせると、83.8%が愛着を感じているわけだ。
一方、「転居したい」と答えた人は2.4%、「どちらかというと転居したい」と答えた人は6.2%で、前回調査と比べてほとんど変わらない。「転居したい」と答えた人に、「どこに転居したいか」聞いたところ、「愛知県外」と答えた人が40.0%で最も高かった。
ちなみに、東洋経済新報社が公的統計を基にそれぞれの市がもつ「都市力」を、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」の5つに分類し、その総合評価を毎年公表している「住みよさランキング2013」によると、愛知県は長久手市が第6位、みよし市が第7位とベスト10圏内に2市が入っている。
複数の市が選ばれているのは、福井県(3市)と愛知県だけだ。