安倍内閣の経済政策「アベノミクス」の効果で、円相場は2013年の1年間で2割超も円安ドル高に振れ、そのおかげで株式市場も日経平均株価が6割超も上昇した。
2014年もこの勢いを持続してほしいが、相場の格言には「辰巳天井、午尻下がり」がある。干支の辰年と巳年の株式相場は天井になりやすく、午年は前半は高くても後半には安くなる傾向があることを意味する。専門家らはどう予測しているのか――。
消費増税の影響軽く、株価6月末に1万5000円~1万6500円見込む
2013年12月30日の東京株式市場は、幅広い銘柄に買いが入り、日経平均株価は前営業日(12月27日)に比べて112円37銭高の1万6291円31銭で取引を終えた。終値で13年の最高値を7営業日連続で更新。年末の水準としては7年ぶりの高値となった。
この日は円安が一段と進んだことを好感し、自動車や電機といった輸出関連株が値上がりしたほか、景気の回復期待から銀行や不動産など内需の大型株も上昇した。アベノミクスによる円安進行を追い風に、日経平均株価は12月25日に終値で6年ぶりに1万6000円台に回復。13年の年間上昇率は56.7%とバブル期を上回り、1972年以来の高い伸びを記録した。東証1部の時価総額は458兆円と、12年末から162兆円も増えた。
2013年の日本株は高値で1万1000円~1万3000円と予測していた専門家が多かったが、それをはるかに上回ったのだから、まさに絶好調の1年といっていいだろう。
とはいえ、そんな株高ムードに水を差すとみられるのが、2014年4月の消費税率の引き上げ。増税後に個人消費が冷え込んで景気や企業の業績が再び低迷。また、増税しても日本政府の借金が膨らんで財政再建が遠のくリスクが表面化すれば、これまで日本の株高を支えてきた外国人が売りに転じる可能性が高まる。
一方、米国の景気回復が鮮明になれば、量的緩和の縮小ピッチも速くなるとみられることから、大きな株価上昇は期待しづらくなる。
ただ、楽観的な見方もある。消費増税によって一時的に個人消費は冷え込むが、財政再建が進むことで外国人が日本株を買ってくる、との期待がある。米国の量的緩和の縮小は米金利の上昇を招き、日米の金利差の拡大から為替相場は円安ドル高に振れる可能性が高まる。さらに日本銀行による「異次元の金融緩和」の第2弾があれば、「ポジティブ・サプライズ」(みずほ証券)となって、ますます円安ドル高が進むことが予想される。
みずほ証券は、日経平均株価は引き続き1月も上昇すると予測。消費増税をにらみ、2月は一進一退を見込むが、消費税の引き上げに伴う国内総生産(GDP)のマイナス成長は4~6月期だけにとどまると判断。7月以降は順調な回復軌道に乗るとし、日経平均株価は14年6月末に1万6500円、14年末には1万7000円程度に上昇する、と予想している。