物流機能を確保しつつ「防災」の視点も強化
――SA・PAは今後、どのような方向を目指していますか
芝尾 現在検討している3年から5年の中長期の計画では、SA・PAをバランス良く改良していきたいと考えています。宮城県の菅生(すごう)PA下り線など現在10か所で展開している「ドラマチックエリア」では、特に地域色を色濃く演出していますが、こうした取り組みを継続して地域の魅力を高速道路から広く発信していきたいと思います。また、東北の復興も、こうした取り組みにより微力ながら貢献できればと考えています。
小熊 震災を機に「防災」という視点も強化しています。常磐自動車道の上り線に2014年春開業する「Pasar守谷」は、自家発電設備や通信設備、ヘリポートや防災備蓄品を整備し、建物内のレイアウトを変更して自衛隊や消防などの被災地支援を行う機関が「災害対策室(仮称)」として活用できる機能を備えています。首都直下型地震などの広域災害が発生した場合には、被災地への支援拠点として役割を担うことを考えています。
――休憩施設など本来の基本的役割、機能も大事です
小熊 それはまったくその通りです。NEXCO東日本のSA・PAの展開は、基本的なサービスの向上を目指す「礎(いしずえ)づくり」と、地域の特徴を活かした個性的な店舗づくりを目指す「華(はな)づくり」の2つを基本コンセプトにしています。
芝尾 礎づくりの重要な課題の一つですが、物流機能としての高速道路のヘビーユーザーはトラックのドライバーさん方です。そうした方々に安心して、高速道路を快適にご利用いただけるようなSA・PAを整備することを忘れてはいけないと常に考えています。長距離を走るドライバーの皆さまにしっかりと休憩を取っていただき、安全に目的地まで運転していただけるよう、お食事やサービス、スタッフのレベルアップなどに努めます。