シェアトップはサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」
この高級市場で約6割のシェアを握るのは「ザ・プレミアム・モルツ」。1989年に樽・瓶で限定発売した「モルツ・スーパープレミアム」が前身で、2003年にブランド名を変更して以降、右肩上がりで販売を伸ばしている。飲食店に対し定番の「モルツ」からの切り替えを促した効果も大きかった。
一方、シェア3割のエビスは、戦前の「恵比寿ビール」を1971年に「エビスビール」として復活させたのが始まり。1994年に「エビスビールあります。」の広告キャンペーンを開始し、一気にブランドを確立した。
もっとも、全体のパイが増えない以上、同一社内の既存ブランドとの「食い合い」になることも想定される。そこで、アサヒは定番の「スーパードライ」の製法を刷新。キリンも主力の「一番絞り」をリニューアルした。味を進化させることで、既存ブランドを大きく減らさずに、他社の顧客を奪おうという狙いだ。迎え撃つサントリー、サッポロも高級ビールを強化する方針で、大手4社入り乱れた激しい販売競争が展開されそうだ。