3が日最終日の2014年1月3日、鉄道が思わぬトラブルに見舞われた。東京・有楽町駅前での火災の影響で、新幹線をはじめJR各線が相次いでストップしてしまったのだ。
正午過ぎにはひとまず運転が再開されたものの、帰省先から自宅に戻る人たちのUターンラッシュと重なったこともあり、東京駅など各地で、大量の乗客が足止めを食う事態に。「帰れない」「コンサートに間に合わない」など、悲鳴が相次いだ。
あまりの人の多さに「こらあかん」と諦める
「あー、こらあかんわ」
家族連れの男性客が、うんざりした声を上げた。
1月3日正午過ぎ、5時間あまり運転を見合わせていた東京発の東海道新幹線が、ようやく動き始めた。しかし入場規制が続く改札前には、乗客たちがぎっしりだ。切符売り場はさらに長蛇の列で、隣接する東北・上越新幹線の改札を横切って延々と続く。取材に赴いた記者が運転再開の見込みを駅員に聞こうにも、その駅員の前にも20人近くが順番待ちをしている。多くはキャリーバッグなど大きな荷物を抱え、旅行先や自宅のある各地に戻る人たちだ。
「これで並んだら何時間も待たなあかん」。年末年始を東京で過ごした「Uターン組」らしい前出の男性客は、重ねて関西弁でぼやくと、家族を引っ張り、さっさと昼食に向かってしまった。あまりの人の多さに、並ぶのを諦めたようだ。ほかの乗客からも「品川まで行った方が早いかなあ」などとため息が聞こえる。
運休の原因となった火災は3日朝6時半ごろ、JR有楽町駅すぐそばのパチンコ店などが軒を連ねる一角で発生した。4棟を焼いた火事は容易に消えず、火の手は近接するJRの線路の通信ケーブルなどにまで及んだ。このためJRでは東海道新幹線のほか、山手線・京浜東北線・東海道線などの一部がストップした。