中国で日本製おむつが飛ぶように売れている――。J-CASTニュースは2013年12月21日に報じたが、実は海外で評価が高い日用品はほかにもあった。
海外在住の日本人だけでなく現地の人も、品質の観点から日本製を購入したり、日本人の友人が帰国する際に「お願い」したりするそうだ。
一時帰国の際に現地の知人に頼まれる
日本製の食品包装用ラップを称賛する声が、「NAVERまとめ」に集められた。「きれいに切れる」「なぜ海外に輸出されないのか」との意見があり、日本から海外に引っ越す際に「2年分ほど買い込んだ」との声まで飛び出した。
米カリフォルニア州・シリコンバレー地区に駐在する男性に取材した。現地には日系スーパーが数件あり、日本製の日用品を購入できる。日本での価格より2、3割増しになるが「ラップは日本製を買います」と話す。優れた品質は、多少割高でも構わないと判断している。日本人だけでなく、中国系や韓国系米国人の客も日本ブランドのラップを買っている様子だという。
ハワイ在住の日本人女性も、ラップは日本製にこだわる。「米国製は品質がちょっと…」と敬遠気味だ。現地で比較的手に入りやすいが、やはり価格は高めの設定なので「日本に一時帰国したときにまとめ買いします」と明かした。
日本の化粧品も人気がある。中国広東省深センに住む中国人夫婦に聞くと、夫人は化粧水や顔を覆うためのフェースマスクに日本メーカーのものを選ぶ。「中国では今日、低価格はもはや消費者に訴求しません。高品質が求められます」と話す。この夫婦は、最近生まれた赤ちゃんのおむつや幼児食も、日本製を買っているそうだ。
「一時帰国の際、現地の知人に化粧品や脂取り紙を購入してくるよう依頼されたことがあります」と話すのは、タイ在住経験のある日本人男性。タイではこうした製品を生産する日本メーカーが進出しているが、手に入らない種類もあるのだという。珍しい化粧品として「贈呈用に使ったのかもしれません」。前出のハワイ在住の女性は、友人の米国人から同じように「日本で買ってきて」としばしば頼まれるそうだ。
「友人が日本製の爪切りを多く買っていて驚いた」
J-CASTニュースが取材したなかで、ほかに人気が高かった日本製の日用品はシャンプーとリンス、生理用品、さらにマヨネーズが挙がった。シャンプーは「現地ブランドだと髪の毛がバリバリになる気がする」(シリコンバレー在住の男性)、またマヨネーズは「日系米国人も好んでいます」(ハワイ在住の女性)。肌触りや味覚といった繊細な感覚に触れるものは、「代用品」で妥協できないということだろうか。
夫の勤務でシンガポールに住む日本人女性は、「友人が、日本製の爪切りを数多く買っていて驚いた」そうだ。爪切りについては「NAVERまとめ」にも「『切れ味がいい!』とアメリカ人の夫が感激して、以来、日本製しか使わない」といった感想が載っていた。
アジアでは「メード・イン・ジャパン」のブランド力は強いと、取材にこたえた中国系マレーシア人女性は認める。こうした日用品の多くは日本からの輸入品ではなく現地生産品だが、それでも消費者にとっては魅力なようだ。ただこの女性の場合、どこの国のブランドかというよりは友人の評価やネット上の口コミを吟味して購入を判断するという。そのうえで「日本製おむつ」を使っているそうだ。