卒業が間近だとの観測もあったAKB48の大島優子さん(25)が2013年12月31日のNHK紅白歌合戦で、ついに卒業を宣言した。番組の本番が始まってからも、出番まではメンバーと談笑し、普段と変わらない様子だったが、2日半にわたって行われたリハーサルの段階から改めて振り返ると、ちょっとした兆候があった。
それは、AKBの紅白パフォーマンスとしては異例の曲目だ。
出番の15~20分前には記者の前で談笑していた
2013年紅白でのAKBのステージは「紅白2013SP~AKB48フェスティバル!~」と題して、前半に13年にヒットした「恋するフォーチュンクッキー」、大島さんのMC(語り)を挟んで、後半に10年リリースの「ヘビーローテーション」の計2曲を歌うという内容だ。大島さんの卒業宣言は、曲間のMCの部分で飛び出した。
「2013年も応援ありがとうございました。この場をお借りして、言いたいことがあります。私、大島優子は、AKB48を卒業します。こうして、紅白歌合戦に出演させていただくのも、これが最後になりました。感謝の気持ちを込めて、歌わせていただきます」
大島さんは出番まで非常に冷静で、出番の15分~20分ほど前には、楽屋ロビーの記者の目の前で、くまモンやふなっしーと遊んだり、メンバーの峯岸みなみさんが(21)が緊張で手のひらに汗をかいている様子について談笑したりするほどだった。
AKB48はリハーサルでもメドレーを2回にわたって披露。ここでは、大島さんはMC部分で
「2013年、応援ありがとうございました。来る2014年が素晴らしい年になりますように。私たちも音楽の力で日本を元気にできるように頑張ります」(12月29日)
と、平凡ともとれる言葉を述べていた。12月30日も、ほとんど同じ文言だった。
本番直前に秋元氏に相談
だが、卒業発表直後の1月1日未明に大島さんが報道陣に語った内容からすると、このメドレーの構成、特に2曲目に歌った「ヘビーローテーション」が鍵を握っている可能性がありそうだ。「本当に晴れやかな気持ち」だという大島さんは、紅白歌合戦を発表の場に選んだ理由について、
「今回、曲と曲の間でMCが入っていたので、『ライブ』感覚ということで…。なので、前々から卒業という事も考えていましたし、もしかしたら『これが紅白、最後なの…最後なんだろうな』っていう風に思って、ここで言わせていただこうという風に思い、直前に秋元(康)さんにお話しさせていただきました」
と明かしている。ヘビーローテーションは、大島さんが「総選挙」で初めて前田敦子さんを破ってセンターポジションを獲得した曲でもある。AKBグループにとっても代表曲のひとつだとみなされている。
4年連続で「その年のヒット曲」をつないだメドレーだった
AKBが紅白に出場するのは6回目で、07年に「アキバ枠」として初出場した際に06年リリースのメジャーデビュー曲「会いたかった」を歌った以外は、09年から12年にかけて4年連続で、その年にヒットした曲をつないだメドレーを披露してきた。それだけに3年前のヒット曲が再起用されるのは異例だ。
この点を念頭に、12月29日夕方の囲み取材で大島さんはJ-CASTニュース記者の質問に対して、
「今回はヘビーローテションが、ちょっとライブっぽく『皆さんも一緒に歌ってください!』という掛け合いをしている。是非、会場にいる人もテレビの前の視聴者も一緒に歌ってくれるといい。この2曲を歌うということは、老若男女、色々な方が聞いてくださったという意味で、『みんなが踊れる、歌える』というのもテーマ。一緒に歌っていただだけると嬉しい」
と答え、「ライブ感覚」という点を強調していた。大島さんの1月1日の発言によると、卒業を決断したのは「直前」。この12月29日の発言は今から考えると意味深長だったと考えることもできる。
大島さんによると、 「(秋元氏が)NHKのプロデューサーの方と話して、しっかり(紅白で卒業発表することの)許可を得て、言わせていただく」ことになったが、それ以外には「だれにも話してない」という。
卒業時期については、
「あんまり(発表から実際に卒業するまでの期間が)長いと、みんな『いつまで居るんだよ!』みたいな感じになるかもしれないので、頃合いを見て、相談して決めたい」
と話している。