残業代払わない「ホワイトカラーエグゼンプション」 新年から再度議論始まる見通し

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「労働時間の長さと成果が必ずしも比例しない」

   12月5日の政府の規制改革会議は、労働時間と賃金とを切り離して考える「新しい働き方」の制度づくりを提言。働いた時間では成果をはかれない職種に対応しやすい仕組みづくりだと説明するが、「ホワイトカラー・エグゼンプション」と同じ制度だ。13年12月10日、政府の産業競争力会議の分科会では同会議の雇用・人材分科会の長谷川閑史(やすちか)主査(武田薬品工業社長)が「日本型新裁量労働制」として、労働時間と賃金を切り離し、深夜や休日に働いても割増賃金を払わなくてもいい労働時間規制の適用除外を提唱。国家戦略特区法や産業競争力強化法の枠組みを使って「先進的優良企業」で試験的に導入するとのアイデアを示した。

   経営側がこの制度導入を求めるのは、労働生産性を引き上げることが狙い。「ホワイトカラーは働き方に裁量性が高く、労働時間の長さと成果が必ずしも比例しない」(経済団体関係者)という認識があり、労働時間に対して賃金を支払うのではなく、成果に対して払う仕組みが必要というわけだ。

   実は、安倍晋三首相としては第1次安倍内閣のリベンジという意味もある。小泉純一郎内閣の労働規制緩和路線の延長で、2006年に成立した第1次安倍内閣が「労働ビッグバン」を提唱した。その一環としてホワイトカラーエグゼンプション導入の法案要綱まで作られたが、「残業代ゼロ法案」との批判だけでなく、長時間労働を助長する「過労死促進法案」との指摘もあって断念した経緯がある。

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